市大水泳部は34人の小さいクラブです。競泳と水球が同じ部にあって34人というのは少ないほうです。 小さいクラブだからなのか、記者の目には一つの家族のように映りました。 時には強い悪口を言いますが、それが逆に兄弟のような自然な触れ合いを感じさせるのです。
市大水泳部では、水球の選手も全員競泳の試合に出ています。 その中で水球をしたい部員が水球をやる、というしきたりになっています。
主な幹部職としては、 部全体をまとめる水泳部主将、 競泳をまとめる競泳主任、 水球をまとめる水球主任、 マネージャーをまとめるマネージャー主任、 会計などの管理業務を行う主務 があります。 それぞれの役職の詳細については今後の取材の中で説明していきます。
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今回の特集は三回に分けて連載します。順番に水泳部の素顔を紹介していきますのでご期待下さい。練習方法、試合への意気込み、さらに水泳部に所属する喜びなど、幅広くお伝えします。

左から
天野 孝平 (経済学部二回生)
奥田 香澄 (経済学部一回生)
團(だん) 秀隆 (経済学部二回生)
水泳部の團さん、天野さん、奥田さんにお話を伺います。
― 簡単に自己紹介をお願いします。
團
競泳主任の團です。今年の九月から競泳主任を務めています。任期は来年の夏までです。
天野
教育係の天野です。
奥田
一回生の奥田です。水泳は三歳からしていました。中高も水泳部だったので水泳をしている経験は長いです。
― 二回生から主任の仕事をするんですね。
團
そうですね、リーダシップをとっていくのは二、三回生です。二回生からは幹部学年になるんで。
― 教育係っていうのはどんなことをするんですか?
天野
教育係って言うのは一回生の親係みたいなもんです。クラブの決まりごとを伝えます。って言っても教育係は名ばかりで、二回生みんなでやってるんですよ。
― そうなんですか?
天野
(練習の)始めに集合して練習内容の確認をする時は教育係が一回生の面倒を見ますが、それ以外は教育係とかは関係なく注意しますね。
― 奥田さんは具体的にどんなことを教えてもらったんですか?
奥田
まずはこの社会で生きていくための基本的なルールですね。「先輩が来たら挨拶する」とか。後は一般的な雑用です。まず来て準備するのは一回生です。
天野
教えることはあいさつが多いです。例えば「初めて会うOBさんが試合や打ち上げで見に来たら自己紹介しにいくこと」とかですね。
團
体育会系なので、やはり上下関係がビシッとしてるんです。一回生がやることは、レジュメでまとめたものを入部したときに渡します。できていなかったらそのたびごとに「こういうことせなアカン!」と叱ります。一回生ができてなかったら、三、四回生が僕ら二回生に「できてないから注意してね」って言ってきます。

― 上下関係がはっきりしているというのは、さすが体育会系ですね。いつも何人くらいで練習してるんですか?
團
シーズン中は20人弱くらいで練習しています。医学部とかが来たときに70人くらいになりますね。その時は人があふれかえるくらいです。
― シーズンっていうのはいつのことなんですか?
團
前期の始めから八月最初の全国国公立大会までです。この試合でその年度の大きな大会が終わりになるんです。だからその試合に向けてみんながんばっています。大会が終わった今(九月初旬)は来シーズンに向けてがんばっているところです。
― では練習日のスケジュールを教えてください。
團
さっき話した通り、まず練習内容の確認をします。泳ぐ距離はシーズン中で6,000mです。シーズン中以外でプールが使えるときは3,000mくらいを泳ぎますね。3,000m泳ぐのに一時間ちょっとかかります。で、練習終わってからミーティングをします。
― 6,000m?!すごい距離ですね〜!一回生の奥田さんは最初からそんな距離を泳げるんですか?
奥田
私は習ってたんで泳げますね。でも初心者で入った子達は主任さんとか主将さんとかがつきっきりで、フォームから教えてもらうんです。そこから段々慣れてきたら入っていこか、みたいな感じですね。でもみんなだいぶ泳げるようになってて、今はみんなと同じメニューをこなせるようになっています。
團
奥田さんは小さい頃から水泳をやってたからバリバリなんですよ。軽い放置プレイです(笑)「泳いどきなさい」って思っています。
奥田
確かにそういうところはあります(笑)
― そうなんですか?奥田さん、すごいですね…。個人の練習メニューはどうやって決めるんですか?
團
市大のOBでスイミングのコーチをやっておられる方がいて、その方にメニューを作っていただいてるんです。そのメニューを競泳主任がもらって、部員のレベルに合わせてチョコチョコ変えてシーズンをやっていく感じですね。
― 全学年を主任がメニューを決めてやるんですか?
團
そうですね。一年から四年まで主任がメニューを決めてしまいます。泳ぐ人の速さに合わせてコースを分けて、同じくらいの速さで泳ぐ人は同じコースに入れて泳いでもらいます。
― そうなんですか、先輩にも指示を出すんですね。
團
練習中は「グラウンドに出たら学年は関係ないみたい!」な感じですね。いっしょにがんばりましょうっていう感じになります。
― 主任は責任が重いですね。練習後のミーティングはどんな感じなんですか?
團
練習中に気づいたことがあったら言ったりします。「今日はどんな感じで泳ぎましたか?」っていうのを言ってもらいます。気づいたことはいろいろですが、「今日はよく頑張りました」とか、「フォームが崩れてるよ」とかがあります。ちょっとだらけすぎてたら注意したりもしますね。でも叱ったりはしません。 最後に、事務的な連絡がある方からそれを言ってもらって終わります。
― シーズン中だと6,000m泳ぐんですよね?でしたら、だらけるというより疲れている人も多いのでは?
團
疲れてるなら仕方ないですね。もし疲れてたら、「しんどいけども、がんばろう、がんばってみようや」って励ましますね。
― だれるのと疲れるのってどう違うんですかね?
團
メンタル的なことか、肉体的なことかの違いです。疲れて「ゼェハァ、ゼェハァ」言うのはよくあることだと思うんですけど。 「今日はやる気ないな」っていうのとはまた別じゃないですか。だれてる人には「みんなやってるんやからやる気を出そうや!」って声をかけてがんばります。
― なるほど。主任さんって技術的な部分を教えるだけではなく、精神的な部分で諭すことも多いんですね。全体のモチベーションが上がるよう、全体の調和を大切にしていますね。技術的にはどなたがよく指導するんですか?
天野
その辺は学年とか関係なく、知識ある人がどんどん言っていく感じですね。四回生でも初心者で始めた方もいるんです。逆に一回生でも小さい頃からスイミングに通ってて泳げる子もいるんで。
團
そうやな。ビデオに撮って、個々のフォームが「ああだこうだ」っていう機会もつくったりもします。
― じゃあ奥田さんは、逆に上回生を教えてあげることもあるんですか?
奥田
今はしてないです。でも来年からはしていくと思いますね。
團
直した方がいいところ言ってますよ。裏でぼそぼそ(笑)
奥田
いまいち言いづらいんです(笑)

― シーズンオフはどんな練習してるんですか?
團
その辺はその年の主任さん次第なんで、年によって全然違います。去年の冬は週二回でほぼ筋トレです。腹筋、背筋、縄跳び、エトセトラですね(笑)
― それもやはり主任さんがメニューを提案するんですか?
團
そうですね、まずは主任がメニューを決めます。「それに意見があれば何でも言って!」みたいな感じです。
― 主任から意見を求めたら、下回生も意見が言いやすそうですね。では、水泳部に所属していてどんなことが大変だと感じますか?。
天野
僕は練習が嫌いな方なんで、練習が大変です。競泳の練習なんてそんな楽しいもんでもないですからね。ひたすら泳いでるだけなんで(笑)
團
そうやな、練習は、試合につながるための…ガマンってやつですね。シーズン中はほとんど部活でつぶれるくらい練習しますから。
天野
水球ならボールとかに触るのが気分転換になるかもしれないですけど、競泳は本当に泳ぐだけなんで。練習はしんどいです。練習が好きって言う人もいるんでその人によるんですけど。
― じゃあ、つらいのに何で水泳やってるんですか?
天野
それはやってる本人もわからないんです(笑)。やっぱりクラブに入っていて楽しい時が多いからですね。 僕とかは大きな大会にいけるほど速くもないんですけど、試合の時に自分のベストが出せると嬉しいです。まずは自分のベストを尽くす。それで結果もついてきたら、なお良いですよね。
― 今の自分を超えるために練習するんですね。かっこいい(笑)。つらい練習に耐えることで、自分に挑戦しているんですか〜。
團
僕も喜びは基本的に試合のときに感じますね。練習のときは結果を求めてるだけなんで、つらいだけです。 あと、人間関係も楽しいんです。授業のこととかしょーもない話で笑い合ったり。そういう人間関係の中で「みんなでがんばろう!」っていう気持ちになるんです。
― 喜怒哀楽を共有できる仲間というのは、一生涯の仲間ですね。奥田さんはどんなときが嬉しいですか?
奥田
私は試合はあんまり強くなくて、比較的練習の方が強い人なんです。練習が嫌な日もやっぱりあるんですが、練習中にタイムが良かったり、できなかったことができるようになると嬉しいです。
― どんなことができて嬉しかったんですか?
奥田
50mでUターンすることって、サークルって言うんです。それが前回れなかったのが回れるようになったりすると、「やった!」って小さな喜びを感じます。それでタイムがそれが段々縮まってきたら、さらに嬉しいですね。
― なるほど、自分の努力が実ったらやっぱり嬉しいですよね。



― では、最後に目標を語ってください。天野さん、お願いします。
天野
目標は二つあります。一つは関西国公立と関西学生選手権で決勝進出することです。 もう一つは市大のリレーメンバーに選ばれることです。メドレーリレーっていう種目があるんです。バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、クロールの一泳法につき一人すつ出るリレーがあるんです。他にもクロールだけのリレーとかもあります。その中のどれかのリレーに選ばれたいですね。
團
(こういうふうに)代表を決めるときがありますよね。そのときだけは実力社会なんです。部活としては縦社会ですけど、代表を選ぶときは先輩後輩は関係ないんです。
天野
そうですね。速ければ選ばれるんで、(速さを)アピールして選ばれたいですね。
― ありがとうございます。では奥田さん、お願いします。
奥田
私は全然高校のときよりタイムが遅いんです。だからそれを戻してまた更なるベストを出していきたいと思います。自分の限界までがんばります!
― 限界に挑戦してがんばってください。では團さん、お願いします。
團
僕は関西大会では優勝したことがあるんです。だから次は全国国公立大会で大活躍します(笑)。表彰台に登れるよう、がんばります。
― みなさん、目標がでかいですね!同じ目標を向いてなくても、それぞれ自分たちの成長のためにがんばるってカッコいいですね。これからもがんばってください☆
長距離を何度も泳ぎ続けるのは、肉体的にも精神的にも苦しいと思います。 一番印象に残った話は、一人ひとりのために練習メニューを考えているということです。主任、メンバー、マネージャーが一体となって、お互いに教え合い、助け合っているんですね。切磋琢磨して結果を出そうとする姿は、まさに限界を知らない青春の若者の姿でした。 将来何か壁にぶち当たっても、この方々なら目を背けず前へ進み続けられるんだなと思います。なぜなら限界がない競泳をしてきたから。泳いで泳いで、教えあって教えあって…。そう、プールの水は青春の血潮。『一生青春!バンザイ☆』
次回は、
第二回『水上の格闘技!水球紹介』
です。お楽しみに!
取材・文:ユータロー
校正・デザイン:奥村
(H19.10.24)