
2007年8月7,8日に行われたオープンキャンパス文学部の学生企画をレポートします。
今回はそのレポートと合わせて、このイベントのために尽力された小笠原令子さんと林佑樹くんにお話を伺います。お二人は大阪市立大学文学部・文学研究科教育促進支援機構(以下、支援機構)の教育支援チームに所属していらっしゃいます。支援機構とは、学生(学部学生+大学院学生)を主役とする、全国でも類を見ないユニークな組織で、学生の教育、研究、進路を支援すべく、5つのチームを擁しており、そこでは、学生の立案した企画が、学生自身の手によって――教員はあくまで縁の下の力持ち的サポート役――市大文学部生を支援するための組織です。(2008年度文学部案内より一部抜粋)
今回のオープンキャンパス企画は、支援機構に所属する学部生、院生・教員によって実行されたのです。


これらの写真は、支援機構スタッフと高校生が進路相談をしている様子を写したものです。スタッフと高校生が語り合うすごい熱気に、私は少し圧倒されてしまいました。将来についてのことなのでお互い真剣です。
支援機構の方々は、この進路相談会のために文学部の紹介冊子を二冊作成したのです。
二冊の紹介冊子とは、一冊目が全国にも配送され市大文学部を公式に紹介する文学部案内『大盛生活』
二冊目が、高校生の立場から生の市大文学部生を伝える別冊冊子、『ええもん』です。
表面的な大学生活ではなく、失敗・がんばっていることなど個人的な実体験も詳しく紹介されています。この記事では学部4回生(07年)の大山大樹さんのアツイ夢にまで踏み込んで書かれており、筆者も驚かされました(笑)
冊子の始まりは、高校生へのアンケートから書かれており、高校生にもとっつき易いと思います。ただ、単にとっつき易いだけというだけではありません。高校生が上記の形式で大学生と同様に将来の目標を書き込めるページもあるのです。将来の目標の設定方法までこと細かく書かれています。まさに『同じ立場に立つ』ことにこだわっている気持ちが感じられました。
今回のインタビューでは、これらの冊子を作成することになった経緯、さらにオープンキャンパス当日にかける思いを、企画実行者である小笠原さんと林くんにうかがっていきたいと思います。
―― イベントではすごい人数の人が来ていましたね!
お二人が懸命に高校生の相談にのっている姿が印象的でした
小笠原
そうですね。当日は250人くらい来てくれました。
―― お二方がメンバーである教育促進支援機構はいつから存在するんですか?
小笠原
3年ちょっと前くらいですね。支援機構は文学部50周年の記念で設立されたそうです。
林
聴いた話では、学生を絡めて学生中心の団体にしていこうとしていたらしいんですが、始めはなかなか上手くいかなかったらしくて。でも、やっとしっかり動き出したそうです。詳しくはHPを見ていただけたら。あっ『大盛生活』にも載っているんでそっちでも(笑)
―― お二人はいつから支援機構の企画に参加しているんですか?
小笠原
私達が支援機構の企画に本格的に参加し始めたのは、今年の4月に行われた新入生歓迎キャンプのスタッフからです。現在4回生の大山大樹さんという方からお声をかけていただいて、同学年の4人とリーダーの大山さんで、入学前の新入生を対象としたキャンプを開催したんです。大山さんは『ダイさん』って呼ばれていて、支援機構のみんなから親しまれている兄貴分です(笑)
林
あのキャンプをやったから、こんなこと(オープンキャンパスの企画)もできたんやんな(笑)
小笠原
そうやね(笑)キャンプは右往左往している感じやった。
―― 冊子作成のスケジュールを教えてください。
小笠原
まず本冊子、別冊冊子作成にかかった時間は、それぞれ半月くらいですね。本冊子の方が先に作ったんですけど、6月末から始めて、終わったのが7月の16日です。それから一週間くらい休みをもらって、別冊に取り掛かったのが、そうですね、7月25日。できたのがオープンキャンパス当日の8月7日朝の12時くらい。できた時はうれしかったですが、ブースで高校生と相談会をしてましたので、忙しくて完成した余韻を味わうことはできなかったですね(笑)でも、今思い返してもかなりハードなスケジュールでした。もともと別冊冊子がメインだったんですけど、急に本冊子も作ることになったんでかなり時間的に余裕が無かったんです。もう、テストとも被ってたんでけっこう、やばかったですよ(笑)
林
僕は単位が取れてるんで、時間的な余裕を持って、今回の企画に取り組むことができました。2年のときに頑張ってたんで(笑)。文学部って履修制限がないから大丈夫なんですよ。
―― そうなんですか。あれだけの冊子を半月で作ったんですか?すごいですね
学期末にあれだけの冊子を作るのは、かなり忙しくなりますもんね〜。
そもそもなんですが、なんで支援機構のスタッフとして企画しようと思ったんですか?
さきほどおっしゃっていたダイさんから誘われたのがきっかけですか?
小笠原
そうですね、ダイさんが誘ってくださったのがきっかけです。6月初旬に支援機構の会議があったんです。その時にダイさんが冊子作成の企画を立ち上げました。6月10日に鍋をしたんです。そのとき飲みながらスタッフを一緒にやらへんかって誘われたんです。
―― その時ぱっとやることに決めたんですか?
小笠原
いえ本当は就活やインターンとも被るかもしれないので大変だなー、って思っていました。やろうかやるまいかすごく迷っていたんです。
でもやろうって最終的に決めた理由は、『支援機構の教育支援チームに入ってくれた一回生と一緒に活動したい!』っていうのが大きかったです。その1回生って、『キャンプがすごく楽しかったから!』って言ってチームに入ってくれたんです。
―― 入ってくれたのは何人ですか?
林
キャンプでチームに入ってくれたのは一人です。けど、企画によって参加の子もいて、そういう子が四、五人います。今もどんどん増えています。今後も入ってくださる方がいらっしゃれば大歓迎です。
小笠原
私がキャンプの企画をした目的って、『1回生の出会いのきっかけを作れたらなぁ』っていうのがあったんですよ。それが完璧に達成できたかどうかはわからないですが、それでも、私たちががんばってキャンプをやらなかったら、その子は支援チームには入ってくれなかった。そう考えると、そういう意味でのきっかけづくりが、ひとつでも実を結んでくれたれたんじゃないかなって。それがすごく私の力になりました。こんな自分がやったことでも、人に与えられるものがあるんだって。だから支援機構の活動に参加してくれたり、「自分たちもキャンプをやりたい!」って言ってくれてる1回生の子たちの存在が、すごくうれしかったし、大きかったです。
でも逆に、一緒にやるのが恐いっていう気持ちもあったんです。『こんなグダグダやのに先輩として大丈夫なんかなー?』って(笑)やってみるとやっぱり先輩としてダメダメやったとは思いますが、こういう立場になったことで初めてわかることがたくさんあったので、ほんとに今回の企画に参加してよかったと思ってます。
―― 始める前は、けっこう複雑な心境だったんですね。
でもやっぱり『きっかけ作りをしたい』っていう目標が達成できてうれしかったんですね。
1回生と一緒にイベントをやってみて、何か伝えられたものがありましたか?
小笠原
そうですねぇ、『みんなで一つのものを作り上げる楽しさ』、かな。大学生活って何もしないまま終わってしまうかもしれないですから。まぁ1回生はアクティブな子が多いのでその面では心配してなかったんですけど(笑)こういう活動を通して一緒にやったその後に得る感動とか、やってみないと分からないですもん。
―― どういう瞬間に感動しました?
小笠原
後から思い出して、『ああ、あのときは充実してたなぁ』って感慨に浸るときですね。ほんとに頑張ってたな、輝いてたなって感じますね。当日のイベントにたどり着くまでの過程って、けっこういろんなことがあって、しんどかったりグダグダになっちゃうことも多かったんですが、今思い返してみると、それでもみんな前に進もう、いいものをつくろうとしてて、ほんとに有意義な毎日だったなって思えます。 あと、イベント当日も今思うとすごい楽しんでたな。私、当日だけすっごいテンションが上がるんです(笑)やってる間はいっぱいいっぱいでしたけど、後から思い出してみるととても充実感を感じられますね。
―― では林さんが今回のイベントに参加した理由は何ですか?
林
キャンプをやったときに感じた『わくわく感』を感じたかったからです。 僕は下宿なんで家賃などの生活費を稼がないといけなかったんです。だから大学に入ってバイトばっかしてました。「忙しいし、何もできひんのもしゃーないよね」って自分に言い訳して。でも、生活が充実してなくて、たまたまキャンプの企画について聴いたときに「やりたいことをしたい!」っていう気持ちが湧いたんで、キャンプ企画に参加しました。キャンプ企画では、「自分にキャンプの企画をやり切れるんか?」っていう不安も大きかったんです。けど実際にやってみると、「こんなに楽しかったことって久しぶりやなぁ」って感じることができました。小笠原さんや他のスタッフとみんなで一つのものを作り上げる楽しさを知ることができました。 でも、キャンプが終わるとまた日常が退屈になりました。キャンプがすごく充実していて、その後だったんで。そういうときにこのイベントの企画を聞いて、またあの『わくわく感』を感じたいって思ったんです。
―― なるほど、小笠原さんと同じで、キャンプを企画したときに得た感動がきっかけになっているんですね。
キャンプでしたことって何なんですか?
林
一泊二日で大阪府立少年自然の家に行きました。大学生活の先輩談や時間割作成などのレクチャー系企画と、キャンプファイヤーなどの交流系の企画をしました。
小笠原
新入生キャンプの目的って、『出会いのきっかけづくり』なんです。普通大学に入るときって、誰も友達いないですよね?それってすごい不安ちゃうかなって思うんです。高校とは全く異質な大学という空間に入って、右も左もわからないのに、クラスもないし、友達もどうつくっていいかわからない。そういう1回生の不安をちょっとでも和らげて、みんなを笑顔にしたいなって思っていました。
―― その中で一番苦労したことって何なんですか?
林
やる前に不安やったのが、1回生がヒクことでした(笑)。1回生を盛り上げるために、バスレクやキャンプファイヤーなどを企画したんですが、そこではキグルミや変な踊りや…、なんかも含まれていて(笑)。そのとき1回生がしらけちゃったり、「面白くなかった」って思われるのはツライなって。どうやって1回生をハイテンションに巻き込むのかに苦労しました。
―― 確かにハズスと場がしらけるかも(笑)
小笠原
それと不安やったのが、仲間はずれができることです。さっきも言ったんですけど、新入生キャンプの目的って、『出会いのきっかけづくり』なんです。
林
例えば、何をするにも一人ずつでするんじゃなくて、班で協力しないとできないようにしました。さらに班には一人ずつ支援機構の上級生スタッフを入れて、何かあればそのスタッフが対応するようにしました。 そうすることで班全体の交流を促進させることもできたし、スタッフと1回生交流も深められました。僕たちは全体の進行をしていて、前で企画を進めたり、問題を対処したりしていたんで、当日のスタッフさんに支えられた分も大きいですね。
小笠原
自分の班だけじゃなくていろんな人と話ができるようにするよう工夫しました。みんなで自己紹介したり、キャンプファイヤーでみんなで楽しめるようなゲームをやったりしました。あと、夜は部屋を回って人を集めてぽつんと取り残されている子をつくらないようにしました。はみった子が出たらアカンから、全員が混じるように気を遣いましたねぇ。班の中でだけ仲良くなってもらうんじゃなくて、全体でも仲良くなって欲しかったですしね。
林
あっでも、今までやったことがないから「どうなるんやろ?」っていう不安は強かったです。めちゃ怖かったです。
小笠原
そんなこと全然なかったからね!1回生キャピキャピしててすごい元気だったんです。キャンプの終わった後、すごい楽しそうにしてくれてたし(笑)
林
1回生の力やろ(笑)本当に楽しんでくれたから。
小笠原
グループ内で自己紹介の時間が無かったとか、アンケートにはそういう意見もいただきましたが(笑)時間的に厳しかったんで、まだまだ改善点は山ほどありました。当日はほんとに一杯一杯でしたしね。でもやった後は、『新入生の不安を少しは取り除けたかなぁ』って感じましたね。ほんとそれは、1回生の力なんですが(笑)来年はその1回生たちがスタッフ側としてやってくれるので、期待しています!
―― そうですね、新入生にとっては本当にいい出会いのきっかけだったんでしょうね。
次回のキャンプも盛り上がればいいですね。
取材・文:ユータロー
校正・デザイン:Hide
(H20.7.25)